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対談インタビュー②事業承継を経て経営者になるというキャリア

2025年2月、弊社のあとつぎ事業(事業承継)の第1号案件がクローズしました。50年もの歴史がある日本カーヴィング株式会社から殺菌乾燥機などの製造・販売事業を譲受し、弊社子会社であるミッケン株式会社で事業を引き継いでいます。

今回は、途中からあとつぎ事業に参画したミッケン株式会社の代表取締役・工藤と弊社代表・和田との縁、承継後に力を入れていることについてお伝えしたいと思います。

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起業家精神旺盛な社員の多かったベンチャーでの出会い

2社の初回面談後に、工藤さんが合流したと聞きました。2人のご縁は?

工藤
動画制作会社のcrevoで5年くらい営業として働いていたんですが、そこにコンサル会社からの出向で和田さんが入ってきたんです。そのあと、僕は転職をするんですが、そこで一緒だったのが最初です。


和田
その頃、私の所属会社の投資先だったcrevoで動画制作プラットフォームの事業責任者をやっていたのですが、工藤さんが転職した先でも連携させていただいて、動画クリエイターをマッチングするサービスを提供させていただいていました。工藤さんとはそちらの仕事上でのお付き合いのイメージのほうが強いです。

ーあとつぎ事業1号案件の経営者候補として工藤さんが思い浮かんだ理由は?

和田
crevoの社員、特に営業の社員は、経営者になりたいみたいな意欲のある人たちが多かったので、いずれ何かしらの形で、そういう思いを持った人たちと一緒に仕事ができたらいいなという思いがあったんです。

今回日本カーヴィングの事業を事業承継するにあたって、「営業をしっかり立て直さないといけない」という課題があったので、「あ、工藤くんなら」と声をかけました。


事業承継を経て経営者としてキャリアを積むという挑戦

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工藤

最初に聞いたときは、「なんか面白そうだな」と思いました。新卒で入った会社は東証一部のメーカーで、規模感は日本カーヴィングとは違うんですけれど、メーカーのやりとりとか、営業の動き方とかというのはなんとなくイメージができて。メーカーはよくも悪くも製品にお客さんがつくんですよね。動画制作とか広告とかってどっちかというと提案力とか営業とかディレクターのスキル的なところにお客さんがつく。属性がかなり違う部分があるので、それぞれ相性があるかなと思いました。

メーカーでの経験は長いわけではないので、製造業はまだまだ難しい部分があるんですけれど、うまくお客さんがつけば安定してビジネスが広がっていきやすいという感じはしていたので、ちょっとチャレンジしてみたいと。

あと事業承継の話も和田さんから聞いていたので、自分で起ち上げるというよりも、事業承継でうまく黒字化させて、さらに人を雇えるようになってというところで実績を積むことができれば、キャリアに広がりが出てくるなと思ったんです。
僕、出身青森なんですけれど、特に東北地方とか「80歳の農家なんですけれど、廃業します」とか、「老舗のお菓子屋さんがつぶれます」というニュースも結構あるので、そういうところを将来的にちょっとやれると、面白いのかなというのも自分の中でありました。

ーミドルエイジの転職の新しい選択肢になるかも...。起業よりも事業承継を経て経営者になる醍醐味とは?

工藤

事業承継の場合は、ある程度ものができあがっているので、既存のアセットを自分なりにアレンジしたらもっとよくすることができますっていうタイプの人はすごい面白いんじゃないかなと。改善型というか、改善することに喜びを覚える。逆に自分で新しいものをつくりたいというタイプの人は今までのものが邪魔になる感じになると思うので、個人事業主か、創業するほうが合うのかなと。


時代の変化とともに新しい営業チャンネルが必要に

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安井
小さい会社だけど、クリアレディが売れるようになったのは、食品工場などをお客さんにもっている大手の商社さんの支店に全部足を運んでいましたから。一人でも仲のいい人をつくると、継続して注文がくるようになる。だけど残念ながら、時代とともに、担当営業マンの世代も変わっていく。そうすると、新しい人とは会っていないから、売れなくなってしまう。それから、やっぱり地方は足を運ぶと注文がくるんですよ。


和田

地方は「来てくれない」という気持ちがありますよね。そこに足を運ぶと「あぁ!」と喜んでもらえる部分はありますよね。

工藤

これまでは良くも悪くも、あまり営業をしなくても安井さんがお客さんを連れてきたというか、お客さんのニーズをうまくとらえて商品が売れてきたという歴史があったんですよね。

そこが逆に強すぎるというか、こちらから商社を開拓していくとか、新製品とかそういう開発をそろそろしていかないと、製品を取り扱ってもらうきっかけというのが今手薄かなと。新しい代理店とか商社さんをどうやって開拓していくかというのが一番必要ですね。


和田

事業承継したばかりの頃は、在庫管理とか、発注の管理とかが、紙が多かったんですが、それを整理して、在庫がどれだけあって、いつ外注さんに支給して、仕上がりがいつくるのかというのが、整理されてきました。

そこが軽くなって営業強化にシフトできるのが今。直接出向くのもありますし、デジタルのチャネルもあるので、そういった営業チャネルを今後増やしていくのが課題だと思います。今まであるものは有効に活用する、今まで手出していないようなところもそこを広げて開拓していくというのがこれからの課題かなと思っています。

安井

今は営業先の世代が変わっていますから、必ずしも足を運ばなくたっていい。そういうデジタルを使った営業をどんどんやってもらえればいい。商品を知ってもらうということですよね。そうすると、いい商品は売れるんですよ。

昔は紫外線そのものがね、危険だという認識があった。クリアレディで使われているUV-Cは皮膚には入っていかないから、照射して殺菌・消毒を目的として使えるんですよ。大手でもそういう研究結果が出てきて、社会の認識が変わっていい時代になった。やり方次第ではまだまだ売れると思う。


和田

コロナを経て感染症リスクへの意識は非常に高くなりましたからね。

 

<編集後記>

創業とは意味合いの異なる、事業承継を経て経営者になるという新しいキャリアの選択肢が興味深かったです。また、事業承継の直後は、営業戦略の立て直しや収益性の改善など整えるべきことも多いことを実感しました。対談インタビュー③では事業を承継した前経営者、事業を譲受した現経営者の立場から、これから事業承継を考える人たちへのメッセージをお伝えします。